1 生活・環境
施策5 公共交通
施策の基本方針
地域のための公共交通の充実により、活気にあふれ、暮らしやすいと実感できるまち
日常生活を支える公共交通の強化と充実を図るとともに、利便性の高い交通網の整備により、市民や来街者の移動を促進し、賑わいのあるまちを目指します。
現状
- 事業者路線バスでは利用者数の減少等による路線の廃止や減便が相次いでおり、コミュニティバスにおいても利用者数が減少傾向にあり、今後ますます運行状況が厳しくなることが予測されます。
- 廃止や減便等により、地域の公共交通が成り立たなくなる恐れがある一方で、高齢化の進行等により、何らかの移動手段を必要とする市民が増えていくことが予測されます。
- 地域との協働のもと、各地区の公共交通の見直しを進めており、既に公共交通の見直しを行った地区においては利用状況を把握し、地域にとって利用しやすい公共交通を目指して運行内容の改善を図るなど、地域が主体となり利用の促進に取り組んでいます。
- 平成30年度に新潟駅連続立体交差事業第1期開業を迎え、新幹線・在来線同一ホーム乗り換えとなり、利便性の向上や利用圏域の拡大が図られたことから、引き続き、「羽越本線高速化促進新潟地区同盟会」などの活動を通じて、羽越本線及び白新線の複線化・高速化に取り組んでいます。
関連する個別計画・条例
- 新発田市地域公共交通網形成計画
- 新発田市都市計画マスタープラン
- 新発田市立地適正化計画
課題
- 人口減少などに伴い、今後もバスの収支状況のさらなる悪化が懸念されるなか、利用者ニーズに見合った効率的な運行内容等への見直しを行うとともに、廃止路線バスに代わる移動手段の確保が必要です。
- 超高齢社会に対応した効率的なデマンド型交通※1の導入や、公共交通を補完する地域の助け合いによる送迎支援により、公共交通空白域の解消が求められています。
- ドライバーの人材確保が課題となるなかで、関係機関等と連携した自動運転の実証実験やAI※2を活用した新技術の導入など、公共交通の新たな運行手法の検討が求められています。
- 将来にわたって公共交通を維持していくためには、運営に係る財政負担について市民にわかりやすく説明し、収支状況を踏まえた運行の適正化を図るとともに、市民の「地域で地域の公共交通を守る」という意識を醸成し、公共交通の利用を促進することが必要です。
- 羽越本線及び白新線の複線化・高速化に加え、新潟県、山形県、秋田県、青森県の4県連携による、羽越新幹線整備に向けた取組による沿線地域の活性化が求められています。

市街地を循環する「あやめバス」
※1 デマンド型交通:利用者の需要に応じて運行する地域公共交通のことであり、定時定路線運行の路線バスとタクシーの中間に位置する交通システム
※2 AI:Artificial Intelligence(人工知能)の略で、人の知的な活動(話す、判断する、学習するなど)を自動化する技術
施策の展開
1 地域特性に応じた使いやすく、わかりやすい公共交通
主な取組
- 通学、通院、買い物といった利用ニーズと、現状の交通ネットワークや運行ダイヤ、運賃等を検証し、日常生活において利用しやすい公共交通を目指します。
- 高齢人口の増加に伴い、市内に点在する公共交通空白域の減少に向け、デマンド型交通の導入や地域の助け合いによる送迎支援などの取組を進めます。
- 自動運転の実証実験やAIなど新技術導入の動向を踏まえ、関係機関等と連携した新たな手法の検討を進めます。
- 待合環境や乗車環境の向上、情報発信の充実等によって、公共交通に対する不安を解消し、利用の拡大を図ります。
主な事業
公共交通対策事業、コミュニティバス運行事業
目標値
2 地域とともにつくり、支える、持続可能な公共交通
主な取組
- 地域の実情に応じた持続可能な公共交通を確保するため、住民等で構成する公共交通検討組織を構築し、主体的活動を支援します。
- 公共交通の必要性などを考える意識啓発や利用者拡大に向け、各種イベントでの車両展示やパンフレットの配布、ホームページでの情報発信等による周知活動を行います。
- 公共交通を維持するため、車両の広告募集や新たな財源確保に向けた検討を進めるほか、地域や地元企業の情報を発信する有効なツールとしてバスの活用を推進します。
主な事業
公共交通対策事業、コミュニティバス運行事業
目標値
3 まちの変化に応じた公共交通
主な取組
- 日常の移動手段として利便性を向上させるとともに、観光地等へのアクセス性の向上を図るため、市街地循環バス(あやめバス)の運行ダイヤや運行ルートの見直しを行います。
- 市街地内における施設の立地状況等の変化に対応したあやめバスの新たなネットワークを検討します。
- 近隣市町との連携により、鉄道やバスによる広域的な交通ネットワークの形成強化を進めます。
主な事業
公共交通対策事業、コミュニティバス運行事業、羽越本線高速化促進新潟地区同盟会参画事業
目標値