第2章 現状から見る施策の方向性

4 今後の施策の方向性

 現状やこれまでの方針を踏まえ、第2期しばた魅力創造戦略では、以下の方向性により各施策に取り組み、引き続き、新発田市人口ビジョンによる大規模な改善をした場合の令和42年人口7万5千人を目指します。

1 魅力あるしごとづくりと雇用の確保

 新発田市人口ビジョンの策定にあたり実施した「若者の進路・定住に関するアンケート調査(平成27年7月実施)」では、「希望する職がない」ため、市外へ就職する専門学校生・大学生が約3割弱おり、特に女性においてその傾向が強い一方で、進学や就職で一度離れた人のうち約6割は「将来的に戻る意思がある」と回答しています。その半数以上は、30代までに戻りたいとしており、「自然豊かな環境」で子育てしたいことを理由に挙げた人は約3割いました。
 また、令和2年1月に実施した「若者アンケート」においても、希望する就職先として市外を希望する短期大学生・大学生は約6割おり、その理由として、約5割が「可能性を広げたい」、約2割が「希望する職がない」と回答しています。
 このことから、“希望する仕事があるから新発田市で働きたい”、“新発田市へ戻りたい”と思える「魅力あるしごと」を創出するとともに、人材の育成や雇用のマッチングを進めることが必要です。

2 結婚・出産・子育ての希望をかなえる

結婚の希望

 人口が大きく減少している要因の一つである「出生数の減少」には、「婚姻率の低下」が大きく影響しています。
 新発田市人口ビジョンの策定に当たり実施した「結婚・出産・子育てに関する意識調査(平成27年7月実施)」(以下、結婚等意識調査)では、恋人がいない人の約6割は結婚を望んでおり、出会いの場を求めていることがわかりました。このことから、ニーズに応じた出会いの場を創出し、結婚したい人の希望がかなえられるように取組を進めることが必要です。

出産の希望

 結婚等意識調査では、既婚者が望む「理想的な子どもの数」が平均2.66人であるのに対し、「現実的な予定子ども数」は平均2.04人と、約0.6人の開きがあることがわかりました。その要因としては、「子育てや教育にお金がかかるから」という意見が最も多くなっています。
 このことから、将来に希望を持ち、理想とする子どもの数が持てるような取組を進め、各種施策を通じて経済的負担を軽減していくことが必要です。

子育て環境に対するニーズ

 結婚等意識調査では、「子育てしやすい職場環境」が子育てに必要な環境として重視されているにも関わらず、現在の満足度としては低いものと評価されており、雇用の安定、育児休業制度の充実、男性の育児参加しやすい職場環境などが求められていることがわかりました。
 このことから、働き方の見直しや企業との連携により、男女ともに育児と仕事を両立できる仕事と生活の調和のとれた環境づくりを進める必要があります。

3 魅力を活かして定住につなげる

 新発田市は、歴史・文化と豊かな自然、観光資源を有するとともに、教育環境にも恵まれています。前述の若者の進路・定住に関するアンケート調査(平成27年7月実施)にもあるように、若者が地元に戻る理由として挙げる「自然豊かな環境」が魅力となり、移住・定住につながる可能性があります。
 このことから、地域資源の魅力を最大限に活かした取組を進めるとともに、令和2年1月に実施した「若者アンケート」においても、約6割が「自然豊かな環境」、約5割が「歴史的な街並み」に魅力を感じていることから、魅力のさらなる磨き上げが必要です。

4 地域の連携によるまちづくり

 人口の変化は、様々なところに影響を及ぼします。
 特に、今後も続く人口減少によって、財政状況や公共施設の維持管理、商業施設の立地、医療・介護・教育機関の需要などに大きな影響を与えることが予想されます。
 このことから、今後は、人口の変化とそれに伴う産業構造の変化に対応したまちづくりを、市民、企業、関係団体や近隣自治体等が連携して進めていくことが一層求められます。